おやすみのキスを
プル式

仕事帰りに電車にのる
少しビールを飲んで
少し酔っ払いながら

不意に哀しくなって
電車のなかで鳴咽をもらしそうになる

別に泣きたい訳じゃない
ただ情緒不安定なだけ
それだけ それだけ

昔の事とか
どうでもいいし
でも
こうして自分と向き合うと
消えてしまいたくなる
消えてしまいたく なる

何処にも向かえ無い自分と
何処かに向かいたい自分と
何処にも向かいたくない自分

判らないのは
自分の心
全て偽りなのか
全て本当なのか

自分なんて消してしまいたくて
だのに
だのに

みんな何を考えていきてるの
みんなどうやって息をしてるの
どうして平気なの

頭のなかで小さな声がきこえる
繰り返す声は少しずつ強く
change baby change

そうだ僕は
取り換えっ子だからきっと

世界に少し日が射す頃
太陽に背中を向けて
眠りたいんだ

なにも休まらないのは
誰かのせいじゃなく
自分のせいなんだ

おやすみなさい
また明日

おやすみなさい
またいつか

おやすみなさい。
おやすみなさい。


自由詩 おやすみのキスを Copyright プル式 2006-07-12 10:41:07
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頭のなか