海月

灰色の空から零れ落ちる
一つ二つと数えられないほどに
アスファルトの上
ビニール傘の上

少し冷めた珈琲を一口
苦味が口の中から浸透して
全身に伝う
角砂糖を二つ入れると丁度良い

原稿用紙に思いを綴れば
何枚も使うだろう
だが、鉛筆を持つと何も書けなくなってしまう
空っぽのマス目が僕に話しかける
ねぇ、どうして書かないの?

ソファーに寝転び
天井を見上げれば
小さな雨漏り
慌ててバケツを持って来て
下におくのだけど入らない

僕の記憶の羊水もこれなら良いのに
好きな時に言葉に出来るから

ふと、そとに行きたくなった


自由詩Copyright 海月 2006-07-05 17:26:00
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