仕留めた兎
アサリナ

掘り起こす時が来たわ

足の裏で確かめて
指の腹で確かめて
なぞるような舌先で

油性の部屋を突っきって進め
ババロアの肌に噛みつけ
噛み砕け青い味

強くて固い蜂蜜だなんて
いつまでも眠ったお人形ちゃんなんて

掘り起こす時が来たわ

鍵は絶対渡さないで
胸に閉まって誘うだけ
鎖も見せずに放さないで
そう簡単なこと

掘り起こす時が来たわ

飛びかかって爪を立てて
逃がすな最後の日
破って首輪を握って
目も開けずに破って
誰も追いつけない所で

空を飛べる人だけが知ってるなんて
裏切りが知ってるだなんて

ぬるい唇にうんざりして
ひきちぎって捨てて
呼ぶのよ形のないあいつを

掘り起こす時が来たわ

足の裏で確かめて
指の腹で確かめて
仕留めた兎の手で


自由詩 仕留めた兎 Copyright アサリナ 2006-06-28 20:06:07
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