メモ3:戯術2
六崎杏介

詩響詩に即いて

音とは空気の振動によって起きる空気の密粗密による波。
文字とはその音、言い換えれば空気の波に与えられた平面での形。
音響詩とは、意味を持たせずその波の組み合わせだけで精神に作用する。
ではその波が文字として形を得て、意味を持たせずその形の組み合わせで同じ効果を得る。
それは、現時点ではとても不可能を感じている。

まずは文字列から出来る限り意味を剥奪し、音声的に意味が出てくる箇所に関しては、意外性乃至
イメージの浮かぶ文字を混ぜる。その事によって生まれる多声的な効果が意味を曖昧にする。

例:a.al..凍,urル-美ニiii,ル.ゥ,ル℃、聖ナSui瓶no.6区・仔ラール
音:ァァルコオウルヴィニィィィルゥルドセイナスイビンノロックコラール
解説:後半の意味を孕んだ音が原文では或る程度意味を薄めている。

それでも現状ではやはり音響詩やこれ迄の戯詩の支配下にあると感じる。
今後はより文字列の形とそこから惹起するイメージの働きかけを模索したい。


音を持たない韻に即いて2

一つの単語から惹起されるイメージを利用した無音の韻について前回は書きましたが
今回はそれを視響詩での応用が出来るのかを考えたい。
まず視響詩では文字列の意味は剥奪されているので、前回の手法では不可能です。
では、どうすればいいのか。
やはりそれは、意味を持たないけれど特定のイメージの惹起に近い文字列を利用して、行えるかも知れない。

例:a.al..凍,urル-no.s聖r,℃-9,E記法.ル
音:ァァルコオウルノーッショウルドクエキホゥル
解説:アルコールに近い文字列の次の消毒法に近い文字列を置いた。
   つまり意味の持たない文字列の中で連想で韻を感じられるかも知れない。

しかし、やはりこれもまだ音と意味に縛られているのは明白だ。
考察すればする程、無力感に襲われる。
しかし、私はいつか天の熱に語りかれられる様になる迄、試行錯誤したいと思います。


散文(批評随筆小説等) メモ3:戯術2 Copyright 六崎杏介 2006-06-27 02:23:41
notebook Home