消失日和
朽木 裕

太陽が傾いであんな所へ落つこちようとしてゐる。
鞄の中にカメラを六機忍ばせて。

愛しき貴方の掌には浮き上がるポラロイド写真。

写真を振つてはゐけないよ。
現実が掻き混ぜるスウプのやうに
遠心力で飛ばされてしまうのだから。

よもやそれが望みではあるまいね?

本日はお日柄も良く。

嗚呼、

これ以上ない程の消失日和。


自由詩 消失日和 Copyright 朽木 裕 2006-06-26 12:47:49
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