新茶
本木はじめ



木は風に揺られて危機と告げている台風前夜の窓辺のふたり


完璧な雨に降られて澱みゆく河を見ている仔猫とあなた


水田の水面に雲は流れゆき徐々に満ちゆく夏の青空


帰り道のこった棒と数匹の蟻の群がる真夏のアイス


神社へとつづく階段上り霧たち込めている鳥居の向こう


おばあちゃん、あなたを再度きみと呼ぶひとが帰ってくるよ八月


新しいお茶をあなたと飲んでいる夕焼け小焼けの隅っこの庭





短歌 新茶 Copyright 本木はじめ 2006-06-24 03:32:16
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