ぽえむ君−樹木−
ぽえむ君

ぼくは詩を書きたい

沈黙を語るものほど
雄弁を語る

今日もまた

朝の散歩をしていると
森の木々に出会いました

天を知らないのではないかと想うほど
夏の風とともに
その幹はまっすぐに伸びる

昼を感じないのでないかと想うほど
夏の強い陽射しをも通さずに
その葉は深く繁る

道がわからないのではと想うほど
夏の水を求めながら
根は無造作に地を這う

自然の勢いにまかせたその森の樹木は
深く長く続き
何百年をも同じことを繰り返す

ありのままの姿で
ありのままを表現するも
一途に沈黙を守り続けながら
生を存在させる

その森の樹木は
沈黙を雄弁に語り続ける

明日もまた

語るための詩ではなく
黙らせるための詩を作りたい


自由詩 ぽえむ君−樹木− Copyright ぽえむ君 2006-06-23 12:46:41
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