ぽえむ君−樹木−
ぽえむ君
ぼくは詩を書きたい
沈黙を語るものほど
雄弁を語る
今日もまた
朝の散歩をしていると
森の木々に出会いました
天を知らないのではないかと想うほど
夏の風とともに
その幹はまっすぐに伸びる
昼を感じないのでないかと想うほど
夏の強い陽射しをも通さずに
その葉は深く繁る
道がわからないのではと想うほど
夏の水を求めながら
根は無造作に地を這う
自然の勢いにまかせたその森の樹木は
深く長く続き
何百年をも同じことを繰り返す
ありのままの姿で
ありのままを表現するも
一途に沈黙を守り続けながら
生を存在させる
その森の樹木は
沈黙を雄弁に語り続ける
明日もまた
語るための詩ではなく
黙らせるための詩を作りたい