水時計
霜天
そして滑り落ちていくだけ
ガラス張りの部屋の中
なぞる縁を越えてしまえば
曇り顔の一日は
それでも白線はまだ若いので
すべてのものに区切り過ぎてしまう
おはよう、の合図ですべてが落ちていく軒先で
また私が蓄積されていく
足りないものは飲み込みながら
いつも眠りに流されてきて
いつかは細い足も昇り続ける呼吸になる
溶けていく体温が、水溶性ならよかったのに
雨にもなれずに
その日も滑り落ちていく
自由詩
水時計
Copyright
霜天
2006-06-21 00:44:19
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