無鉄砲印のカステラ
仲本いすら

カステラの
下のほうについてる紙を

取るの忘れて、そのまま食いちぎって

それでも
牛乳と一緒に
流し込んでしまえば

おなじこと。


あの子だけを愛するつもりが
ほかの子も好きになっていって

その子達全員に
猪突猛進、向かっていくのも

牛乳と一緒に
流し込んでしまえば

って、どうにもならない。

どうにもならないけれど
カステラと牛乳の
このコンビがあれば

そのまま突っ込むことだって
僕には可能なんですよ。

もしそれで
全員に振られたとして
一番最初に好きになった
あの子にも
振られたとして

それでも


カステラと牛乳があれば

忘れられるんですよ。

なにせ

僕は紙ごと食べちゃうような
人間なんですから。



自由詩 無鉄砲印のカステラ Copyright 仲本いすら 2006-06-18 20:32:31
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