命が宿るまで
狩心

家は日当たりで選ぼうよ  駅の日溜まりで遊ぼうよ                
記号化された駅員さん  産道くぐって夏祭り                   
早々と終わりを告げて菜の花の  醤油漬けは美味いねと              
生ける屍  踊る午後  今日もまた空がない                   
のんびりしたいなぁ〜                              
みんな一斉に腕まくり  慌しく軽やかに献血が始まった              
のんびりしたいのに                               
自分の番が来る前に  電車が来たから飛び乗って                 
びゅーんと一発かましてやれば  白い砂浜  運命の結婚をする          
田舎に住もうよ  賑やかな町に楽しい事なんてなかったよ             
サワガニが家に迷い込んで来た                          
みんなでダンス  サワガニダンス                        
欲望は太陽に任せよう                              
土の中から出て来て干乾びたミミズ                        
そうなりかけていた                               
命の水は蒸発しよう  中へ中へと                        


自由詩 命が宿るまで Copyright 狩心 2006-06-18 03:42:58
notebook Home 戻る