拗ね者は無様に吠える
松本 卓也

目が染みるほど充満した煙の中
何を血迷ったか跪く自分の姿を
鏡に映しこんでぼんやり眺めていた

数限りない自業自得の渦で
息をする資格を無くした雑魚が
水槽から腹を出して浮かんでいる

憂いと悲哀を詠う似非詩人だから
初めから存在しえない才能が
この頃潮が引くように減退し
下手糞が輪をかけて無様に落ちていく

声は誰にも届かない
姿は誰の瞳も捉えない
心は無碍に偽りと断定され
涙は只の汗という事にされた

何が分かる
何を知っている
オブラートで包まなければ
何一つ直視できない程度の
節穴しか備えていない癖に

吐き捨てられた魂の行く末が
路傍に打ち捨てられたガラクタに
無数の見えない傷となって刻まれて
人目につかず風に掻き消え
何事もなく見捨てられているのは

あんた達のせいだ


自由詩 拗ね者は無様に吠える Copyright 松本 卓也 2006-06-17 00:19:17
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