ぽえむ君−雨雫−
ぽえむ君
ぼくは詩を書きたい
人は何かを譲り
渡されて
時を流れていく
今日もまた
小雨が降りしきる中
朝の散歩をしていると
雫に出会いました
木の上に落ちた雨は
葉の先で雫という宝石へと姿を変え
下の葉にその宝石をゆずる
ゆずられた葉は
砕け散ってしまった宝石を
自分の手のひらで集め
新しい宝石へと姿を変えていく
地面に落ちるまで
葉から葉へ
雫はつねに生まれ
広がり
そしてまた新たな姿へと
静かに繰りかえす
人も何かを譲り
渡されて
時を流れていく
明日もまた
語るための詩ではなく
黙らせるための詩を作りたい