人工の夜
明日葉

いつも通り
夜のなかに手をつっ込み旋回

ぐりぐるぐるり ぐるん、

感触は鈍い温さを保ったまま
僕の右手におりて狂喜乱舞だ
そんなエレクトロレトロ

テトラトレトロ、トロ、

冷えた頭にのしかかる静寂は
薄い膜ごしにそら響く足音を
当たり前のように殺す為


方々へ熱をおびては霧散寸前
この夜が酷く冷えているのは
きっと零時だから

轟鳴り止まぬ羽音を打消して
すこし待っていて欲しいんだ
お願い零時までは


すぐに
貴方をすぐに迎えに行くから

導こう
汚い光りからこの人工の夜へ


自由詩 人工の夜 Copyright 明日葉 2006-06-13 16:35:02
notebook Home 戻る