ツバメヨツバメ〜テニソンの「燕の歌」に寄せて
AKINONA
燕よ燕
今年もお前はやってきた
彼女の家の軒下へ
僕は言えないまま過ごす
募る思いのひとかけら
燕よ燕
どうしてお前はさえずるの
こよなく陽気なメロディを
僕は喉まで出かかった
愛の歌さえ歌えない
燕よ燕
お前が翼に乗せるのは
留まることなき冒険心
彼女の胸へと舞い込む勇気
僕にもあればと願うだけ
黄金の森へ連れてって
愛の衣を纏った僕を
まだ恥じらいはあるけれど
勇気を出して囁こう
初夏の香りのこの恋を
燕よ燕
かつてお前を抱きしめた
あの柔らかな白き胸
まだ見ぬ彼女の指先は
トネリコよりも甘美な小枝
燕よ燕
お前の歌がこの僕に
くれた幾万もの勇気
僕はいまから告げに行く
彼女に幾万もの愛を
英国桂冠詩人アルフレッド・テニソンの「燕の歌」より。
原典の自家製翻訳(ただし超意訳)は下記に。
http://valedge.ciao.jp/Literature/tennyson1.htm
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