シュールレアリスムの友達
Tommy

あのころの僕たちの会話は
みんなシュールレアリスムだった

僕の家は金星なのだった
ここから車で片道十一時間かかるので寮に入っているのだった
数学の小テストで図中の線分ABに太さがあったら減点されるのだった
けれども僕はちゃんと満点をとったのだった

今年度の物理の授業は全部化学に変更になったのだった
若い物理の先生は雨男なので辞めさせられたのだった

学校にはプールがないので雨の日の体育は水泳なのだった
とはいえ満足に泳げるのは台風のときくらいのものなのだった

今日も日が沈むときに太陽目がけてゴムをとばしたのだった
初めて命中したのはよかったが太陽がキレたので僕はやけどしたのだった

明日までの宿題は君と話すことだった
宿題が終わったから僕たちは寝るのだった


そして次の日は当たり前のように
英語や数学の宿題を提出して
六時間の授業をまともに受けて
帰ってくるのだった
そんな毎日だった


あのころの僕たちの会話は
みんなシュールレアリスムだった
それでも平和な現実で困ることなど何もなかったのだ


自由詩 シュールレアリスムの友達 Copyright Tommy 2006-06-11 07:48:45
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