青空の下
少し疲れた大人たちが集まり
この広い世界いっぱいを使って
間違い探しをしている

私は右で あなたは左

お互い自分の側が正しいと思いたいから
間違いはすぐに見付かる
けれど何故だか誰もが必死

だって
いくら見つけてもきりがない

間違いだらけなんだ



＊



二つの優しい絵の中
左右どちらかが正しくて
どちらかが間違い
子どもたちは
そう教えられて遊ぶ

世界がゲームだったら良かった



＊



夕暮れの下
間違いに嫌気がさして
疲れた大人たちは家に帰っていく
一方歩くごとに
自分の正しさを確かめようとして

なのに
気が付けば
相手の間違いばかりが
頭を回っている



＊



月明かりの下には
たくさんのかけらが散らばっていて
どれも正しい色をしている
この濁った夜空を飾るには
きっとどれも間違っている


かけらの側には
もう誰もいない
それでも
明日になれば またここは世界で



＊＊＊



青空の下で
大人たちが集まって
間違い探しをしている

毎日を何度も繰り返して
ずっと探し続けているのに

たったひとつ
自分にとっての正しささえも
見付けられない