駅・近鉄奈良 〜猿沢あたり
たりぽん(大理 奔)
行基さんでの
待ち合わせは飽きたので
采女神社でって
君がいうから
僕は池をぐるりと歩いて
時計回りで君を待って
興福寺の夕暮れに
見上げると
和紙に漉かれた
六分の月
君は逆回りに
計画された偶然の確率で
茶屋のあたりで
いたずらっぽく笑う
五重塔と月と僕が
一続きに
水面におちて
柳の枝に季節の蝶
電車が遅れたのと
いいわけをしながら
三条通りへ石段を上がる
薪能がいま
はじまったところ
2005-08-13 自由詩投稿「駅・奈良」全面改稿
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