水性感情
A道化








緑色に発火した昼が
わたしたちのまだ柔らかな背を滑り落ちたら
全ての事情が濃紺になる川原にて
音が消えてゆく水音の肌寒さでわたしたち
ちょっと強張って、けれどそのことはもう
口にせず


しゃん。

息切れが、止んでゆく
(息切れよ止まないで)
息切れが、止んでゆく
(息切れよ止まないで)


ひとつずつ
わたしたち願い事を取り消したら
誓いのない範囲にやっと、永遠。そのとき
生きるとき細胞で泣くとき、そのときわたし
(あなた気づいていた?)ほとんど
水面で出来ているよ


ああ
(息切れよ、止まないで)
しゃん。

息切れが止んで


2006.6.7.


自由詩 水性感情 Copyright A道化 2006-06-07 10:41:27
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