あるいは、朝日か、チョコレートか。
葛西佑也

寝起きは、不機嫌
な ぼくなので、
世界の終わりの
ような顔をして、
何もかも、どうでも
よくなっている。

なので、

ぎゅ ぎゅっと 後ろ
から だ きしめて、
さらりと キスして
とろーり とろーり
チョコレートみたいに
しちゃって(ください)。


「ぼくは、この願望が
ずっとずっと ふへんてきなもの』
だって。」

中央が程よく、へこんだ
まくらに、顔面をうずめて
ぺろぺろっていやらしく、
味わうチョコレートの
鉄っぽさで、ぼくは
ぼくは いかれてしまうの。


ぎぶみぃちょこれいと/

/ぎぶみぃちょこれいと

ぎぶみぃちょっこれいと/

少しさび気味の、
金属片からは、血の味
がしています。
ここが戦場ではない!」
とでも言うのですか。

朝が、もうそこまで
迫っている。
ことに、車輪の音で
気が付いて、
ふっと我にかえっ
てしまった。
口の周辺は、
チョコレートで
べっとべとで。

ぺろり ぺろり
ぐるり っと
何周も何周も、
このぼくの、ぼくの
舌で口の周辺を
なめまわしてやったら、
何かがとろけだして
朝なんてものは、
忘れてしまった。



自由詩 あるいは、朝日か、チョコレートか。 Copyright 葛西佑也 2006-06-06 07:14:02
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