白い大きな光
プル式

とてつもなく大きな白い光に包まれ

気が付けば回りはうめき灰となり

死んでいく。


彼女はそれと気付かずに

自分は助かったのだと思うでしょう。

そうして彷徨いながら

人を探し、家を探し

十年経ち、二十年経ち

空腹を感じない事もいつしか当たり前となり

路地裏で眠り

街が変わり人が変わり彼女が誰とも話せない事も

誰にも見えないことも

誰も気付かず

誰も知らず

ただ幸運と

ただ凶気と

ただ流れ出す時代と

ある日彼女は気が付くでしょうか

自分が死んでしまったと言う事を。


未詩・独白 白い大きな光 Copyright プル式 2006-06-06 03:09:59
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