記憶熱
A道化




柔らかで重い
透明感の海の内臓にて
夏に恵まれたくらげが
水に還ってゆきます、あらゆるくらげが
水に還ってゆきます


(出会えた。だから、
(ええ、だから、お別れしなくては


いつかも、海でした。
ああ、
全身、
影も形もなかったただ熱い頃のこと
思い出しています


2006.6.5.


自由詩 記憶熱 Copyright A道化 2006-06-05 03:15:25
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