風切り
霜天
窓を越えていくと
広い草原があった
今も昔も、通過できない人の声を
ざわめきながら残すために
忘れていった風の小言
誰のために、それすらもどこか忘れて
いつか、潮騒の混じった空に
帰る日までは留めておきたい
涙、が零れると
後に続くものが溢れてしまう
積み残したものに、深く頭を下げながら
風、切る音
今確かに前に進むと、踏締めて
風、小言に揺れる窓枠に手を、手を
自由詩
風切り
Copyright
霜天
2006-06-05 01:57:03
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