唐突に見上げた月は綺麗
海月

精神科に通い続けて一年半ば
毎月高い薬を得て生きている

入院を勧める医者
入院を拒む僕
それが病気の一種

境界性人格障害を抱えている

関わりを持つ人を傷付けて舐めて癒す
写り変わりする写真の中
僕の顔や目は死んでいる

人を信じる力は残されてなく
それでも僕を信じてくれる人が居る

そんな僕に急に渡された婚姻届
答えは出せずにテーブルの上

二つの希望を聞かされた
どちらか一つを叶えて下さい
僕はどちらを叶えれば良いのでしょう

唐突に見上げた月は綺麗



自由詩 唐突に見上げた月は綺麗 Copyright 海月 2006-06-05 01:02:36
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