潮風
たもつ

かつて見送られるもののために
窓はあった
そしていま窓は
残されたもののためにある
窓を開け放ち
潮の匂いのする風を迎え入れる
誰かが忘れていった
化石の海が
ひとつ置かれている

(2006.6.3)



未詩・独白 潮風 Copyright たもつ 2006-06-04 18:18:57
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