「あきらめない」なんていらないのに
クローバー

[あきらめない]

俺には一番足りない言葉だ

と、彼は言っていたけれど
僕より高給取りだったりするのだから
たちが悪い

昔ばかりに足を引っ張られるのは
それこそ、ほんと、バカみたいだよ

と、前の恋人に言われたりして
淋しいなんて、もう、口が裂けても言えない

恋人?居るに決まってんだろ

と、虚勢ばかり張りながら
精一杯、笑ってやる

今幸せ?
そっか、仲良くな。

彼らの式には、昔の顔が集まり
夢を語ったその顔で
あきらめたほうが幸せだ
と、語りだす

僕は、酒の力で、おめでとう!と叫んだ
酔っぱらったかもしれない

さてと、僕の謝辞が暴力に変わる前に
会場を逃げ出そうか

背を向けて扉をくぐると
少し泣けた。


                       ※2004年1月作


自由詩 「あきらめない」なんていらないのに Copyright クローバー 2004-02-20 01:51:29
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