ぽえむ君−慣性−
ぽえむ君
ぼくは詩を書きたい
物体は外から力を加えない限り
静止しているものは静止し続け
動いているものは動き続ける
今日もまた
朝の散歩をしていると
物理学者に出会いました
物体は外から力を加えない限り
静止しているものは静止し続け
動いているものは動き続ける
われわれはこの当たり前のことに
気がつくのに何百年にも渡り
われわれはこの当たり前のことを
忘れてから何百年にも及ぶ
自然と心が動かされる運動
それは
ある衝撃から始まり
心の重力と抗力がつりあったまま
抵抗のない場所を
動いているのかもしれない
そしてその動きこそが
詩なのかもしれない
その心が動いている限り
動き続ける
明日もまた
語るための詩ではなく
黙らせるための詩を作りたい