ぽえむ君−微分−
ぽえむ君
ぼくは詩を書きたい
熱意に必要なものは
冷めた頭脳である
今日もまた
朝の散歩をしていると
経済学者に出会いました
彼はいつも悩む
なぜこの場所は道なのか
どうして緑がある場所と
人が多く住む場所があるのか
なぜ人は幸福と不幸の生活があるのか
その疑問は疑問として表すのではなく
関数として表現する
それはまさしく社会科学が織り成す芸術
問題を鮮明に浮き出させ
明確な形で
次々と微分可能な世界を創り出す
彼にとって
心も微分可能なのかもしれない
その微分係数はどうなのだろう
1次微分は正
2次微分は負なのだろうか
いずれであれ
それはまさに1つの詩でもある
いつかぼくの詩も
彼によって微分されるのだろう
その冷めた頭脳で
熱意をもって
明日もまた
語るための詩ではなく
黙らせるための詩を作りたい