バカの壁
tonpekep
映写機のように
地上はカタカタと捲られていく
朝はすっかり疲れている
誰かに埋められたいと思っている
全てのおっぱいは空に帰りたがっている
ぽっかりと空いた女たちの胸に
やどかりは棲みたがっている
ただぼくらはおっぱいを飛ばさないようにしっかりと掴み続けている
情報は不変であることにぼくらは気がついていない
そしてぼくらはずっと
ぼくらを失い続けていることに気がついていない
わたしはわたしではないということ
方丈記の出足からぼくらは躓き続けている
いつのまにか都市の中を出たり入ったりしている
建設中の何かが毎日空に向かって骨をさらし続けている
ぼくらはそれを分かり切ったことと言う