きゃらめる 4
アンテ


                       きゃらめる 4

  うみ

  1

ふるどうぐやで
ぐうぜんみかけた
すなはま
ちょうどもてあましていた
とっておきのゆうぐれと
こうかんしたまでは
よかったけれど
こんなに
さびしがりや
だったなんて
きままに
かいがらをひろいながら
きがつくと
おしつけるあいてをさがしている


  2

どろどろ
したものが
ながれこんできて
どろどろ
わたしじゃ
なくなっていく
おおきいから
すこしくらいへいき
って
だれかがきめたそうだ
どろどろ


  3

かあさま
せんじつ
わたしも
ははになりました
かあさま
いつか
うみのみえる
おかであいましょう
わたしが
うまれたときのことを
きかせてください
かあさま


  4

きれいないし
みーっけ
ひろいあげて
あしおとが
またひとつ
とおざかっていく
きれいないし
だったんだね
しらなかった


  5

とおいかなたから
どすん どすん
ときおり
おもいおとがきこえる
だいじょうぶ
ぜったいに
ここまではとどかないから
めをとじて
しおのながれに
みをまかせる


  6

ただの
おおきな
みずたまり

そうね
ただの
さいぼうのかたまり

でも
があるんでしょう
だれだって


  7

おなじものは
せかいに
ひとつしかない
なんて
ただの
がんぼう
おなじなみも
おなじかいがらも
いくらだって
そんざいする


  8

いちばん
らくなばしょ
おしえてあげましょうか
ぜんしんの
ちからをぬいて
しんこきゅう
とくとく
ちりぢりになっていたものが
ながれてながれて
またひとつになる
ほらね
とくとく
らくになるのは
あんがいかんたん


  9

だれかが
わたしを
ひきよせようとする
いっちゃだめ
ひきもどされる
どっちだって
いいのよ
ほんとのところ
みちしお
ひきしお
いったりきたり

  10

こぶねにのって
はるばる
やってきたひと
いちにちめ
しまをぐるりとあるいて
ふつかめ
すなはまでひざをかかえて
みっかめ
いってしまった
さよなら
がまたひとつ
なみまにころがる
まるくかけていく





自由詩 きゃらめる 4 Copyright アンテ 2004-02-17 00:38:01
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