落日、溶けゆくもの
LEO

丸みを帯びた光は
瞼を下ろすたび
その裏に
微かな影を描く

碧さを含んだ風が
誘いかけても
膝を抱えたままの両腕を
微動だにしないで


 閉じたままでは
 何も見えない

 塞いだままでは
 何も聞こえない

 噤んだままでは
 伝わるわずもなく


夏を告げる鳥の声
羽ばたくごとに
 ぽとり
  ぽとり
と、 桐の花

梢の先で
蒼く揺れたのは
この背中だったろうか
触れようとせず
ただ
夕闇となる


自由詩 落日、溶けゆくもの Copyright LEO 2006-05-22 01:08:19
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