ぽえむ君−草船−
ぽえむ君

ぼくは詩を書きたい

早いか遅いかは
その時点の問題であり
大切なのは
その時点で何を創り出したかである

今日もまた

朝の散歩をしていると
草船に出会いました
 
小川に架かる橋の上から
子供たちが
草で船をつくり

自信作の競争がはじまる

それぞれ思い思いのままに
つくっては競争

器用な人には勝てない
何度やってもその子の船が
ゴールに早くたどり着く

その中で
他のある子が
ふと流した小さな船

ゆっくりと
沈みかけながらも
少しずつ流れに任せながら
優雅に
決して早くはない

騒いでいた子供たちが
静まりかえる一瞬が
そこにある

何か大切なことが
そこにある

静かな小川の上を
船はようやく目的地に
到着した

明日もまた

語るための詩ではなく
黙らせるための詩を作りたい


自由詩 ぽえむ君−草船− Copyright ぽえむ君 2006-05-19 23:29:44
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