椿道
LEO

名の無き道に
いつかふたりで
残した足跡を辿る

 咲いた椿を
 ひと目見たくて

斜陽にそっと
伸ばした指先

 溢れた椿に
 躊躇うばかり

枝先から
落ちた瞬間
名は持たない
そんな気がした

 ひとりの影が
 伸びてゆく

過ぎ去った日々を
繋ぎ止めておくことは
出来ないの

 影は夕闇に
 はかなく消えて

惑うこの手も
もうすでに
名は持たない


自由詩 椿道 Copyright LEO 2006-05-17 01:03:15
notebook Home