Luciferised One Ⅲ
木立 悟
ゆるしはなく
叫びは消え
川に照らされ
独りになる
雨は去り
夜になり
小声は咲く
とどめの白
とどかぬ花
水と葉の音
遠去かる光から生まれ
近づく羽
あるはずのないものがなくなり
歴
(
つら
)
なりが握りあう手をゆるめても
内と外の
白銀
(
しろがね
)
の
領
(
くに
)
は
見えない狼に自身を与えながら
抜け落ちたいとなみをつづけてゆく
自由詩
Luciferised One Ⅲ
Copyright
木立 悟
2006-05-11 21:01:19