虹の先まで
e R i

真夜中の虹を、見たことがあるかい?
極彩の光に照らされた暗闇を、見たことがあるかい?
こんなトコでつんのめってないで、
こんなトコでうずくまってないで、
ひとりぼっちで寂しいよ。って、
悲しい瞳で世界を閉ざしてないで、
ゆこうよ

雨の落ちる街角、絶望の切れ端チケット
ゆらり揺られて3番街、
ココは世界の端っこ、壊れた街角
生まれ育った街の残骸抱えた
少女のひざこぞうに
刻み込まれたナンバー
「次はアタシの番なの」
その台詞に思わず目をそらす
逃げてごめん、抱きしめてあげられなくてごめん
こんな世界の端っこ
ようやく出逢った愛なのに

痛みは痛みとしてではなく、悲しみとして
悲しみは悲しみとしてではなく、憎しみとして
憎しみは憎しみを含んだ、孤独として
紡いで、続いて、巡ってしまうのに

ねぇ、「誰か」

膝を抱え込まなくても眠れる世界に行けば
誰かアタシを愛してくれるのかな
それとも、このナンバーは、一生、消えないのかな

ねぇ、コトバを頂戴、アタシを救うだけの、コトバを。

アイルキスユー

たった一筋の光を掴み取りたくて
伸ばした手の指の隙間から零れ落ちたキラキラが
足下に沈んで崩れ落ちてゆく輝きに
また、けつまづいて、うずくまって
悲しい瞳で世界を閉ざしてるから
泣いてないで、なんて言わないで、くじけさせてよ

奪われた記憶、閉じこめられた絆
大切なモノはなにひとつ許されない世界に
縛られた冬の始まり
雨の落ちる街角に佇んで、春を待つ間
ひざこぞうを抱え込んで
愛してと言った少女の記憶は薄れない

真夜中の虹を、見たことがあるかい?
極彩の光に照らされた暗闇を、見たことがあるかい?
そんなトコでつんのめってないで、
そんなトコでうずくまってないで、
ひとりぼっちで寂しいよ。って、
悲しい瞳で世界を閉ざしてないで、
ゆこうよ


自由詩 虹の先まで Copyright e R i 2006-05-09 20:22:27
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