Ash
胡蝶

少しだけ暗い部屋で

ずっと君は泣いて居たね

気付かない程小さな声だけど

その深さは暗い夜の壁の様


殺したい程の支配欲と
死んでしまいたい程の苦しい拒絶


其を必死に白いクレヨンで塗り潰した。

君にこの狂気が悟られ無いように…


少しだけ暗い部屋で

ずっと君は泣いて居たね

か細い祈りは雨雲に吸い込まれて

その声を聞かれる事は無い


犯してしまいたいほどの激しい独占力と

逃げ出したい程の悲しい憂い


其を懸命に白い絵の具で塗り潰した

君が狂気で傷付く前に…

僕の心が汚れてたから

白いクレヨンじゃ消えてくれない

暗い部屋には誰も来ない

君が泣いて居た事すら忘れてしまうだろう

僕の心が無かったから

白い絵の具じゃ削ぎ落とせ無い

だから僕の心は
あの雨雲の如く

灰色に染まるだけ…



自由詩 Ash Copyright 胡蝶 2006-05-08 19:07:25
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