知りたくなかった知りたかったものへ
砂木

少しづつ はぐれるようにして
息のつけるところまで
霧雨が 庇う様だ

陽射しが吠えていた 
ハンドル握りながら
ひとすじの 血脈が
太陽に かかると思っていた

そして 同じくらい沈んで
足の指に絡みつく
底のない沼の 水草に はまれて

助かりようがなかった
うわずったままの アクセルに震えて

通りかかる やすらぎのざわめきは
とても近いはず だった

なぜ あの 赤い脈と共に消えなかったのか
できなかった
太陽そのものを潰すことは できなかった

しめられていく鼓動の 続き
誰でもない 私にくる雨

避けないのではなく
追いついてくれたんだね



自由詩 知りたくなかった知りたかったものへ Copyright 砂木 2006-05-08 06:59:02
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