パレード
フユナ



あなたがあまりにも大きく樹をゆらしたので
花びらが落ちているのだった
色とりどりのかみふぶきに混じって
潔白な白がくるりまっているのだ
地上ではパレード
美しくなった出会いと別れへの
賞賛と
落ちてくる
祝福もしくは、ノイズ


ねこが
廃屋の前にたたずんでいた
屋根からは桜が生えているようだ
ねこは
犬のような筋肉をした茶トラのねこは
ガラス戸の前にたたずんで
長いことそうしていた


なあ
ねこ
ねこよう
おまえはそんなにも
そこに何を覚えているというのだ
そのちいさな
ちいさな脳みそで、なあ
ねこ


ああ
花びらが落ちているのだった
あなたがあまりにも
大きく樹をゆらしたので
僕とねこという
にひきのちくしょうのうえに
地上ではパレード
に降る祝福、もしくはノイズ


ねこは
野犬のようにたくましい筋肉を持った
ねこは、長いことそうしていて
(僕はとっくに飽きてパレードを見ていたのだが)
ふと
目を上げるとさも当然のようにそこにはおらず
あるのは
賞賛と
祝福、もしくはノイズ















自由詩 パレード Copyright フユナ 2006-05-06 22:59:34
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