まき 火
砂木

空の眼が開いた
夕焼けが なく

はけで塗られた台本の上の
削り取られた 穴が
船だというから

のぞけない
除かれた場所から
消えるのなら 

責める理由
思い浮かばぬうちに

空の 眼が 開いた

唇から
うただけ

風よ
草よ

鳴かずに 埋められた
変わり果てた 友よ

沈黙の 帆を
闇を 閉じて




自由詩 まき 火 Copyright 砂木 2006-05-02 23:42:53
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