「北京ダック」
プテラノドン

 注文と同時に、鳥かごの中に手を突っ込み
乱暴に足首を掴み上げたのは君。引っ張り出された
のは僕。店内でたった一人席につくホーキンスは
「上海は遠いかい、それとも近かい?」と、
店員である少女にしつこく訊ねたが、
彼女は何も答えなかった。それでも彼女が今夜、
日記に書いたらいいなと、僕は思った。
 そして君は、鉈のように太い包丁を振りかざしながら、
僕の身体を何処から切り刻もうか考えている。



自由詩 「北京ダック」 Copyright プテラノドン 2006-04-28 09:14:40
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