ぽえむ君−時代−
ぽえむ君

ぼくは詩人

時の流れとは世代から世代へと
その心をゆずり渡すこと

今日もまた

朝の散歩をしていると
ポケットコンピュータに出会いました

電卓よりもちょっと大きい
道ばたに捨てられていました
すでにほとんど壊されて

一世を風靡したあの輝きはもうない
今ではその名前すら覚えていない

進化の中で押し流されてしまった
その四角い箱は
ぼくの目の前に無残な姿のまま

前の世代の人たちが今のぼくたちに
残していったくれたもの

形は壊れたとしても
ぼくたちは
この眠りゆくものの心を受けとめ
引き継いでいかなくては

ぼくはその箱を手に取り
砂がかぶったところを払い落とし
人目のつかないところに
そっと寝かせてあげました

気持ちに言葉はいらない

明日もまた

言葉のない詩を作りたい


自由詩 ぽえむ君−時代− Copyright ぽえむ君 2006-04-27 23:49:05
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