ぽえむ君−転石−
ぽえむ君
ぼくは詩人
転がるときに感じるのは痛み
同時に気づかぬ優しさ
今日もまた
朝の散歩をしていると
川に流れる小石に出会いました
もともとは上流にあった大きな石
水に流され
ゆっくりとゆっくりと前に
それは
時間を逆戻りさせられない運命と同じ
決して上ることはない
流れの中で角がとれ
丸く丸く
やさしい形へと姿を変えていく
削られていく痛みをともないつつも
なめらかになめらかに
やわらかい形へと姿を変えていく
ここから進み行く運命に向かって
その形は粒になり
河口で多くの友と重なり合う日まで
ゆっくりとゆっくりと前に
気持ちに言葉はいらない
明日もまた
言葉のない詩を作りたい