ぽえむ君−蒸留−
ぽえむ君

ぼくは詩人

同じものを見て
何かが違うと思う疑問は
この世には何一つ同じものがない
ことを忘れているからかもしれない

今日もまた

朝の散歩をしていると
化学者に出会いました

小川の土手に腰を下ろして
水筒を取り出して
おいしそうに
のどを潤していました

ぼくに気がつくと
水筒のコップを
差し出してくれました

 これは蒸留水
 水をいちど沸騰させて
 それをまた取り出す

とても純粋な水でした
同じ水でも何かが違うようだ

 君の詩もそうなんだろ
 いろいろな言葉を煮詰めて
 沸騰したものを集める

納得する間もなく
ぼくの頭の中にある言葉たちが
沸点へと向かいはじめました
同じ言葉でも何かが違うようだ

気持ちに言葉はいらない

明日もまた

言葉のない詩を作りたい


自由詩 ぽえむ君−蒸留− Copyright ぽえむ君 2006-04-26 00:46:57
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