地下茎
A道化




午後の空中へ
午後の空中へ
雨に逆らうようにして
ハナミズキとして昇華し続ける春は
公園が夕刻になっても未だ軽く漂う、
薄い、甘い、影


春とは分離するように
俯き始めれば
俯き過ぎるしかなかった子供たちの
かわいい下端は
ずぶずぶ、
泥へ沈んでゆく


ああ、
問い質すならどうぞ最後まで。
未だ子供なんだ、未だ地下茎という言葉を知らぬ、
子供だったんだ、けれどもどうぞわかって欲しい、
俯き始めれば俯き過ぎるしかなかった、ぼくとあたしの
かわいい、下端



2006.4.25



自由詩 地下茎 Copyright A道化 2006-04-25 10:12:29
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