外燃するわたし
たりぽん(大理 奔)

飛砂を焼こうと
たどり着く海岸で
瞼を閉じたときに
ひらくアイリス

   あかいのは
   すべてが染まる音で
   あなたとの間には
   愛以外のなにかが潜んでいた

私はもう 私のための旅に出ない
たどりつけない場所は
いつもたどり着いた先にあって影だけが
はりついている

   影の名前が私のなまえ
   濃度や長さを
   たがえながら
   張り付いているなまえ

飛砂は焼かれ
すっかり
瞼に透かした空の色
そのままとどかない距離で

   あなたの名前も影のなまえ
   角度や位置を
   たがえて
   交わらない存在の、

灼かれている
熱量を胸に移して
熱量をこの胸に移して
交わらない存在の、



自由詩 外燃するわたし Copyright たりぽん(大理 奔) 2006-04-23 21:26:05
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