残業火事
黒川排除 (oldsoup)

突端優れている庭地下は声だらけ

黄いろい夕方の目的を記しておく

今朝とれた野菜くすくすくすぶる食卓

粉持ち歩く助手自身既に粉の一部

引っ越し終わるまず峠を箱から出し掛ける

冷めた廊下に蜥蜴が這う皆さん、静粛に

かれら婚姻赤い煙でいぶしだされ

おそらく屋上を今走っているまっすぐ

ぶつけたペンキみたいな太陽に角欠く牛

腋から肩へひゅっと抜けたトビウオをはたく

疼く廃墟比喩ではないので火をつけにいく

杭見上げれば看板足見上げれば孔雀

泥から膝抜いて去年知る

コピーとる燃え盛る森の近くで

遠くで一度仮面落ちる音招かれざる客

小路、震えるぼくらを見守る笑顔は雨に濡れない

ぼんやりと立っている衣がうしろめたい

ときに白鳥大量の爪を隠し

山を打つ我にかえってまた山を打つ

疎まれし鉄屏風絶景に錆をうつす


川柳 残業火事 Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2006-04-15 00:12:10
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