用事
こしごえ

陽子は、すっと敷居をまたぎ

玄関を通りぬけ門をくぐり

香気ある光の朝にあいさつをした


罪とはいつか
姿なく大地に影をおとすような
色なく野原に咲きほこるような
清々しい朝日に硬直してくらむ
私は、

約束の日まで鎖国をしている ぬけ殻に
蝶結びをして朝すがら海を見にいき
黒海の無意識で銀色に丸まりながらいつまでも太陽を見送る。


日に透けた そよ風があいさつをかえした

彼女は、すっと歩き始めた






自由詩 用事 Copyright こしごえ 2006-04-10 10:57:55
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