ストレンジャーズギブミーズ
黒川排除 (oldsoup)

頭を掴まれ続けて朝誰もいない寝室

耳を鳴らす 孤独がそうしたように

茶を淹れて飲んで踊って余命コトリ

みどりと鳴くにはみどりを知らなさすぎて飛行

さえずる器具を指に取り付け空かきまぜる

二着の服を交互に着るふたりの間の静かな殺意

笑いが止まらない腹から透明な火花

伸びた髪が端から見える頭巾床に置かれ

まるで羽虫の羽根のような春啄みにきた

戒めが出口に靴を積んでいる

空室あります裏口あります記憶ありません

折に触れて折る 骨折完治後も光る腕

朝焼けのようなわだかまり床に押し込める

建造物よく動くと思えば魂ある蜘蛛

牧草地に吹きつける男ときどき養う

怪人とバスを待つ肩が既に道具

風紋のある一点に香炉が置かれ

手の甲を湖底とおもう指に鈴

女装のやましさまだ床に残り土をかける

バックパッカーの老人おおむかしへ歩いてゆく


川柳 ストレンジャーズギブミーズ Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2006-04-09 00:00:01
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