夜空の微熱
たりぽん(大理 奔)
星の遠めがねを峠に据えて
のぞき見る未来への深淵
みんななぜか震えていたね
体温を奪ったのは
外套をはためかせて
丘を吹き昇る風ではなかったんだ
風のゆくえを仰ぎ見る先に
透明に横たわる
星空が
届かなかった想いと
薄皮を裂ってしみ出す祈りと
震えて途切れがちな呼び声
奪ったのだったね
私の想いを奪ったのは
外套をはためかせて
丘を吹き昇る風ではなかったんだ
君のゆくえを見つめる先に
透明に横たわる
星屑は
それを知って
はじめて気づいたんだ
頬をつたう、微熱
遠めがねで見ても
大きかったり
小さかったり
するだけで
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私的星座盤