ジェット機
シャーロット

どっかで家を落とした
ダンプカーが走る ゆれてるけしき
なびく雑草 頭上
冬の星が見えた 行ってみたいな 

何か透明な膜が無事に役目を終える

生きたい
息をしながら言うと
ピンクの砂漠が現れた
少しも曇らないバスの
窓ガラスを指差しては
夏の日の夜のようにすぐに忘れた

おどろう
青いカラスを連れて


髪の毛が空中で散乱し軸が新品に射し込んだ
彼方のオアシスが立ちすくんでぽっとつんのめって前に倒れた
その全てが途切れることなく届きはしない

どっかに家を落とした
ダンプカー走る ゆれている景色
なびく中華街 頭上
冬の星が見えた 意味もなく

二ヨスは僕の背中をけってゆく
草は舞い上がり小さい虫は死んだけど
ちっとも哀しさは本当じゃない
あの日もジェット機を見ていた

ナイーブな飛行機の翼だからきっと世界中
の人々がそれを見送ったらたくさんのハンカチーフが
たくさんの色がたくさんの高さや強さに楽しく揺れるけど
でもそれを正しく思わない人が止めさせようとして
人々はそれでまるでばいばいをしているみたいだった
肝心の飛行機は「明日また来るよ」びゅーん
飛んで行った。見えなくなった。心臓がうるさい。


自由詩 ジェット機 Copyright シャーロット 2006-04-06 17:50:48
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